【市場調査の手法】
1.定量調査(統計調査)
(1)質問紙による面接法(調査員が面接で質問する)
〈利点〉回答者が本人、回答者の回答精度を確認できる
〈欠点〉コストが高い
(2)留置法(調査員が手渡し、後日訪問して回収する)
〈利点〉調査対象者が多い場合は有効
〈欠点〉回答が本人かどうか不明
(3)郵送法(基本的には郵送で配布し、郵送で回収する)
〈利点〉対象者が点在している場合は有効
〈欠点〉回収率が悪い(10~15%程度)⇒代表性を欠く
(4)電話法
〈利点〉手早くできる、費用が安い、全国も可能
〈欠点〉質問量が限られる、代表性に欠ける
(5)集合法(調査対象者に集合してもらい、質問紙で調査)
〈利点〉商品等を具体的に提示できる、実験も可能
〈欠点〉大量サンプルは無理、代表性に欠ける
2.定性調査(典型調査)
(1)グループインタビュー(集団面接法)
調査対象条件に合う対象者5~7名程度に対し、座談会形式でディスカッションする面接調査方式。WHYインタビューとも呼ばれ、事実関係の底にある意識を探る。
〈利点〉アンケート等では得られない心理を探りうる
〈欠点〉条件にあった典型的の人を集めるのは困難
(2)ディプスインタビュー(深層心理面接法)
精神分析的面接方法で、臨床心理学者や社会心理学者が対象者と1対1で、面接調査を行う。1ケース2~4時間に及ぶ。
〈利点〉個人の行動分析としては最も手の込んだ手法
〈欠点〉インタビュー・分析に高度な専門技術が要求される
【調査票作成(定量調査における調査票作成のチェックポイント)】
1.フェイスシート作成のチェックポイント
(1)フェイスシートとは
市場調査の中で、一般世帯や個人を対象とする場合には必ずフェイスシートがつく。これは、調査回答者の基本的な属性を問う質問で、データを集計分析していく切り口となる重要な部分。
(2)個人調査のフェイス項目
性、年齢、学歴、職業、未既婚、家族構成、収入、住居形態
(3)世帯調査のフェイス項目
世帯主性別、世帯主年齢、世帯主職業、世帯員構成、世帯収入、主婦年齢、主婦職業
(4)フェイスシート作成のチェックポイント
〈記名式調査票〉のときには、名前、性別、年齢、住所、℡№記入欄を用意する(℡№は調査票チェックの際に使用できる)
〈無記名式の調査票〉で、収入や学歴など極めて個人的な部分を尋ねる場合は、フェイスシートは一番最後におく
〈未既婚〉については、離死別者がいずれに含まれるのかを明記する